圧縮記帳(reduction entry)とは
国庫補助金や火災による保険金などの金銭を受けて固定資産を購入した際、その購入価額から補助金の額を控除して購入価額とすること。
圧縮記帳とは、国などから補助金をもらって、機械や設備などの固定資産を購入したとき、税金がかからないようにする処理のことです。
Foresight Inc. - 簿記2級の「圧縮記帳」とは?仕組み・仕訳をわかりやすく解説!
圧縮記帳は、税務上の課税の繰り延べを行うための会計処理であり、その年度の税負担を軽減する効果をもつ方法です。
圧縮記帳とは、税法上の規定であり、有形固定資産の取得に際して収益(補助金等)が発生した場合、その取得価額を減額(圧縮)することにより圧縮損を計上し、収益金額と圧縮損とを相殺してその年度の税負担を軽減する効果をもたせるものです。
圧縮記帳の処理方法は、「直接控除方式/直接減額方式」 と 「積立金方式」 の2つ。
圧縮記帳の助成金に該当するものは、「国庫補助金」、「工事負担金」、「保険差益」 の3つ。
「直接控除方式」の考え方
1. 補助金を、収益(国庫補助金受贈益など)として処理。
2. 収益として処理した金額と同額を「固定資産圧縮損(費用)」として計上。
3. 固定資産の減価償却費を、1と2により減額された固定資産の金額をもとにして計算。
初年度は、補助金に対して課税されないため、補助金を全額使用できる。
2年目以降は、圧縮記帳をした分だけ減価償却費が少なくなる。
費用計上できる金額が少なくなる。その分、収益が大きくなる。
課税額は圧縮記帳をしない場合に比べて大きくなる。
結果、減価償却費の償却期間満了時には、課税額は同額となる。
参考Webページ
参考1:
参考2:
本試験問題
【令和元年度 第2問】
A社は、20X1年4月1日に補助金6,000千円を現金で受け取った。続いて20X1年10月1日に、その補助金6,000千円と自己資金16,000千円で機械装置22,000千円を購入し、直ちに使用を開始した。その際、直接減額方式による圧縮記帳を行った。また、20X2年3月31日(決算日)に、定額法(耐用年数4年、残存価額ゼロ)により減価償却を行った。購入時の固定資産圧縮損と決算時の減価償却費の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
中小企業診断協会 - 中小企業診断士試験問題
回答
1. 補助金を、収益(国庫補助金受贈益など)として処理。
2. 収益として処理した金額と同額を「固定資産圧縮損(費用)」として計上。
の考え方から、購入時の固定資産圧縮損は6,000千円となる。
減価償却費は、固定資産圧縮損の6,000千円を減額した金額をもとに計算するため、
年間の減価償却費は、自己資金の16,000千円 ÷ 4年(耐用年数) = 4,000千円。
購入が 20X1年10月1日であることから、20X2年3月31日(決算日)には、6か月分の減価償却費となるため、
年間の減価償却費 4,000千円 × 6/12 = 2,000千円 が、決算時の減価償却費となる。